α person(あるもの)
- CrazyLight Novels
- 2024年9月10日
- 読了時間: 2分
「あっそうだ。明日、旅行に行ってくるから」
「だから来たんだよ。従弟に友達が旅行行くからって。知らん奴だと思ったら」
「いや~、まあ、仕事休んでまで来てくれるとは思わなかったよ」
「いや、3月まで休みだし、2月末までには帰ってくるでしょ?」
「そう。てか何やってるのよ。仕事さ」
「フリーランスのクリエーター的な感じ」
「そうなんだ。まあ、この家のことお願いね。明日から」
「うん。てか、年始そうそう旅行って、いつもは家で休んでるのに」
「まあ、たまにはね」
「もう夜遅いし、さっき案内した。ゲストルームに」
「そうね。2時過ぎてるし。明日でしょ?大丈夫なの?」
「午後の便で行くから大丈夫。起きれるよ」
「じゃあ、お休み」
「はい」
- DAY 0 -
「おはよう」
「おはよう。もうそろそろ空港行くから。テレビとかも普通に使ってていいよ」
「わかった」
「じゃあ、行ってくるね。ちょっと離れてるから高速乗って、1時間とか?」
「そうだね。じゃあ、行ってらっしゃい」
「うん。カギ閉めといてくれる?」
「うん」
「じゃあ」
「はい」
家には、僕しかいなくなった。
「(テレビはチューナーレスか)」
そう思いつつ、CLCinematicというVODで映画を観ていた。
1本観終わり、CLTで人気ゲームの実況を観ていた時だった。
玄関のドアが開いた音がした。
「忘れ物?」と、リビングから問いかけても返答はなかった。
見に行くと、靴もなにもなかった。空港に再度向かったと思い、リビングに戻り、ゲーム実況を観ていた。
すると、お風呂からシャワーの音が聞こえた。風呂場に行き覗いてみても、誰もいなかったが、湿っていた。
朝に入ったのかと思ったが、パジャマから行く直前まで着替えてはいなかった。
それは関係ないとしても、その後も2階の寝室などから音が聞こえ、電話をした。
だが、"誰もいない"そう言われた。
音は定期的になり続け、その日は、終わった。
α person(あるもの)
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